今回は、画像生成AIであるStable Diffusionの環境を、ローカルPC上で構築する手順について解説します。
Stable Diffusionをローカル環境で動作させる場合、WebUI以外にPythonやGitなどのツールもインストールする手間はかかりますが、クラウドコンピューティングにはない自由度が手に入ります。
本記事では、WebUI起動までの全ての手順を画像付きで解説しています。
ぜひ、ご自宅のPCでの環境構築に挑戦してみてください。
Stable Diffusion ローカル環境のハードウェア要件
Stable Diffusionをローカル環境で実行するための、ハードウェアの要件について解説していきます。
最低環境
CPU:標準的なAMDまたはIntel CPU
メモリ:最低8GB以上のRAM
GPU:最低4GB以上のVRAM
SSD:最低20GB
これはあくまで最低環境であり、とりあえず実行可能なレベルであることをご理解ください。
このスペックのパソコンでは、拡張機能のインストールやモデルの追加/学習などはほぼ不可能と考えましょう。
また、AIで画像生成する際の処理は大半がGPUで行われるため、CPUの性能はそこまで重要ではありません。
ただし、GPUが搭載されていないパソコンを使用する場合、CPUのみでも画像生成すること自体は可能ですが、
膨大な時間がかかるため、現実的ではありません。
推奨環境
CPU:標準的なAMDまたはIntel CPU
メモリ:16GB以上のRAM
GPU:16GBのVRAM
SSD:1TB以上
推奨環境のスペックを満たしていれば、ある程度の画像サイズ(解像度)まではストレスなく画像を生成することが
できます。
Pythonのインストール
ここからはパソコンのローカル環境にStable Diffusionを構築する手順について解説していきます。
Stable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)は、Pythonというプログラミング言語を使用しています。
よってまずはPythonのインストールを実施する必要があります。
Stable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)のページを確認すると、インストールするPythonのバージョンは”3.10.6”が推奨されています。
最新はPython 3.11.xですが、不具合が報告されているため、推奨バージョンをインストールするようにしましょう。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img001.jpg)
Python 3.10.6のインストーラーのダウンロード
Python 3.10.6のインストーラーを以下のページからダウンロードしましょう。
開いたページの下の方に”Files”という項目があるので、その中から自身のパソコンに合ったインストーラーをダウンロードします。
Windows 64bitの場合(ほとんどの場合これになります):Windows Installer (64-bit)
macOS 64bitの場合:macOS 64-bit universal2 installer
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img002-1024x348.jpg)
Pythonのインストール
ダウンロードしたインストーラーを起動したら、Pythonをインストールしていきましょう。
- ”Add Python 3.10 to PATH”にチェックを入れる
- “Install Now”をクリックする
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img003.jpg)
”Setup was successful”と表示された画面がでたら、”Close”ボタンを押して画面を閉じます。
これでPythonのインストールは完了です。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img004.jpg)
gitのインストール
次にgitをインストールしましょう。
gitはソフトウェアのバージョン管理ツールであり、Stable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)をダウンロードするのに必要です。
gitのインストーラーのダウンロード
gitのインストーラーを以下のページからダウンロードしましょう。
ページを開いたら”64-bit Git for Windows Setup”という項目があるので、クリックしましょう。
クリックするとインストーラーをダウンロードできます。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img005.jpg)
gitのインストール
ダウンロードしたインストーラーを起動したら、gitをインストールしていきましょう。
まず、ライセンス規約の確認画面が出ます。何度か”Next”ボタンをクリックしていきましょう。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img006.jpg)
画面を進んでいくと以下の画面が出ますので、”Install”ボタンをクリックしましょう。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img007.jpg)
以下の画面に変わったら”Finish”ボタンをクリックして画面を閉じましょう。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img008.jpg)
バグ修正についての公式サイトが開きますが、これはそのまま閉じてしまって大丈夫です。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img009-1024x481.jpg)
AUTOMATIC1111 WebUIのダウンロード
それではStable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)のインストール方法について解説していきます。
まず、コマンド プロンプトを開きます。
- デスクトップ画面の下部にある検索欄に”cmd”と入力する
- コマンド プロンプトを実行する
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img010.jpg)
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img011.jpg)
コマンド プロンプトを開いたら、作業用のフォルダを作成しましょう。
コマンド プロンプトに以下のコードを入力して実行します。
mkdir sd
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img012.jpg)
コマンド プロンプトを開いたら、作業用のフォルダを作成しましょう。コマンド プロンプトに以下のコードを入力して実行します。
cd sd
最後にStable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)のソースコードをダウンロードします。以下のコマンドを入力してください。
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img013.jpg)
これでStable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)のダウンロードは完了です。
Stable Diffusion ローカル環境でのWebUIの起動方法
続いてダウンロードしたStable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)をインストールするスクリプトを実行しましょう。
以下の場所にある”webui-user.bat”というバッチファイルを実行します。
C:\Users\ユーザー名\sd\stable-diffusion-webui\webui-user.bat
そうするとコマンド プロンプトが起動し、スクリプトの実行が開始します。
初回はインストールしているため30分程度時間がかかりますので、完了までしばらく待ちましょう。
インストールが完了してStable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)が起動すると、以下のURLが表示されるので、このURLをブラウザに入力して開きましょう。
http://127.0.0.1:7860
そうすると、Stable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)が起動し、Stable Diffusionを利用することができる状態になります。
![](https://genai-laboratory.com/wp-content/uploads/2023/11/img014-1024x446.jpg)
Stable Diffusion ローカル環境でのWebUIの2回目以降の起動方法
2回目以降も同じように”webui-user.bat”を実行することでStable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111)を起動させることができます。
まとめ
今回は、画像生成AIであるStable Diffusionの環境を、ローカルPC上で構築する手順について解説しました。
Pythonなどのバージョンなどに注意して一つずつ確実に進めていけば、誰でもStable Diffusionをローカルで動作させるための環境が手に入ります。
自宅にゲーミングPCをお持ちの方は、ぜひ本記事を参考にローカル環境を構築してみてください。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。